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映画地獄

偏見と独り言の映画紹介

帰ってきたヒトラー(原題:Er ist wieder da)

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(出典:Er ist wieder da  > Kino > Constantin Film

 

これは現代を訴えかけるモキュメンタリーだ!!

 

 

ヒトラーといえば、反ユダヤ人主義者として、アウシュビッツ=ビルケナウ刑務所で大量のユダヤ人を虐殺したことで有名である。

 

ドイツ人のみならず、世界中のある程度、ヒトラーについて知る人物は忌み嫌う存在であろう。

 

ヒトラーをコメディに使うという反ナチ、ユダヤ人団体からクレームが来るであろうタブーネタをこの映画ではやりきった。

 

 

 

あらすじ

 

 

www.youtube.com

 

現代になぜか、蘇ってしまったヒトラー(オリヴァー・マスッチ)に偶然、近くて撮影をしていたフリーカメラマン・ザヴァツキ(ファビアン・ブッシュ)がテレビ局をクビになり、新たなネタとしてヒトラーを新手の芸人だと勘違いし、番組の撮影を始める。
 
番組内容は、ヒトラーが現代に戻るも1930年と同じく抑圧された怒りと市民の不満を解消すべく、ヒトラー本人が市民にドイツの現状を聞いて回るというテイスト。
 
テレビ局は、ヒトラーを雇うようになり、市民もすっかりヒトラーに釘付けだった。
しかし、中身は変わらずヒトラーヒトラーであり、番組中に犬を殺した動画をテレビ局の内部リークにより、ヒトラーは番組を降ろさずを得ない状況に陥る。
 
それでも、ヒトラー人気は衰えず、現代に蘇ってからのいわば日記を小説化にし、瞬く間にベストセラーとなって、映画になるまで市民はヒトラーに熱を持っていた。
 
ヒトラーは、生前とは少し変化が見られ、自分を誇示するような行動も控える仕草が見られるようになる。
そして、ヒトラーは現代の生活に慣れ、自分らしく生きるように。
 
 
 

 解説(ネタバレ)

 

ヒトラーについては、高校まで習ったような知識しかないが、大衆が思うヒトラーは独裁者で、ユダヤ人大虐殺を行った悪人だと。

 

しかし、この映画では、軽く反ヒトラー団体に考慮した作りになっており、実はヒトラーはそこまで悪人ではないのでは…と思わせるストーリーにしてある。

 

ドキュメンタリーとドラマを掛け合わした”モキュメンタリー”にして、この映画を作りあげたと言ってもいい。

むしろモキュメンタリーにすることで、ヒトラーを皮肉めいた存在にしつつ、ヒトラーがタイムトラベルして現状のドイツを訴えかける妄想を仕立て上げることができたのではないか。

 

上映されたのは2015年であり、現在もそうであるが、難民問題が深刻化している時期であった。モキュメンタリーだが、実際に一般市民にも現状のドイツについて声をかけているシーンがいくつもあった。(顔にモザイクが掛っている人もいた)

 

そして、ヒトラーを蘇らせることで、本作が訴えかけたかったのは、ドイツは難民者によって過去の栄光であったヒトラー政権のドイツ帝国から衰えたことに警鐘を鳴らしたかったのではないのか。

ヒトラーを用いて過去、繁栄したドイツの有様を思い出して欲しい、と訴えかけるようにも感じ取れた。

 

しかしながら、未だにヒトラーを許さないドイツ市民もおり、この映画は賛否両論とも捉えられるだろう。

負の遺産か一時の抹消の遺産かを交錯した作品であった。

 

 

 

監督 デヴィッド・ヴェント

原作 ティムール・ヴェルメシュ

上映日 2015年

製作国 ドイツ

上映時間 116:00

配給 ギャガ