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「地下鉄のザジ」と「&Premium」

映画

 

チャーミングなひと。

 

 

2016(平成28)年11月5日、下北沢にある本屋B&Bで&Premiumの12月号表紙に「地下鉄のザジ」のザジ役が飾ったことと創刊3周年を記念として上映会が開催された。

 

上映10分前に到着し、B&Bに入ると、簡易的なシアター施設ができていた。

早々と来た人は、すでに前の席を確保していた。

これがまさかの大誤算。

 

15時に上映が始まる。

案の定後ろだと見えない。仕方がない。死にたい。

 

 

ストーリー

ザジという少女が叔父と叔母に一時、預けられることになり、叔父達が住んでいたパリでのひと騒動をコメディチックに描いた作品。

 

キートンやチャップリンのようなコメディ調な喜劇であるが、主役が子供とあって大人が絡むとなぜか哀愁みたくノスタルジーさが感じさせられる。

 

大筋は、よくわからない、意味のないコメディが脈絡もなく続く。

それでもザジがイタズラしたり、両面鏡を使って人が何人も見えたりする技法や、当時のフランスでのストライキをオマージュさせるため、何台ものの車や人を使用したりしていた。

 

ましてや、エッフェル塔を遠くから撮影するのではなく、エッフェル塔の内部をふんだんに使っていたのが、印象的。

 

 

そんなザジの可愛らしいイタズラと、ルイ・マルが編み出す数々の技法は、話の面白さより記憶に残る印象をもたらしてくれる。

今回の&Premiumにピッタリな表紙だと上映中にふと笑みを浮かべながら納得していた自分がいた。

 

小柳帝さん×&Premium編集部のトーク

どんな話をしてくれるのかとてもワクワクしていた。

なんせ、ザジを観るのも初めてだし、雑誌の編集者も見るのも初めて。地下鉄のザジについて詳しい人も見るのも初めてなんだから、同時に初めてが押し寄せてくるのが楽しかった。

 

編集部

「毎回、&Premiumの表紙を決める時は、映画の印象的なワンショットから参考にする。今回は、ザジをみてパッと決めた。」

 

「いつもなら、映画をトレースのようにベースを撮り下ろして、表紙にする。例えば、<おいしいコーヒーのある生活>はジム・ジャームッシュの『コーヒー&シガレッツ』みたいに」

 

「今回もベースをザジにして、撮り下ろしたけど、やっぱりザジ以上は出てこなかった。」

 

 

&Premiumの編集者は、&Premiumの表紙の選び方と今回選んだことを教えてくれた。そういう風に決めているのかと改めて表紙を見て頷かせた。やっぱり映画って、いろんなところで影響させていると実感。

 

 

小柳帝さん

ルイ・マルは、同世代のゴダールトリュフォーみたく評論家からの出ではないが、街全体を撮影場にしたり、ストーリーが一貫性のないヌーベルヴァーグでもあった。」

 

「この作品に影響を受けて、ゴダールは『女は女である』を作ったのではないか?」

 

「アメリは本作にインスパイアされていると周囲に言われていたが、実際にジャン=ピエール・ジュネにインタビューした人が、『地下鉄のザジ』を観たかと聞くと、ほとんど観たことがないと答えたそうだ。」

 

 

めちゃくちゃこの人、フランスに詳しいの。聞いてて、あの映画ってどこどこの映画で作曲してたり、美術やってたりしてたんだ。とか、この人は「地下鉄のザジ」を終えてから、元々クラウン(パフォーマー)をしていたんだけど、今では有名になったシルク・ド・ソレイユの創設メンバーだったとか、めっちゃタメになる話ばかりで満足でした。